あまり知られていない私たちの仕事や業界、ヘリに関する深い話をお伝えします。
風速13mを超えると飛ばない理由 = マストバンピングという危険を避けるため
安全な飛行を行う上で大事な指標であります故、少々メカニカルなことをご説明致します。
風が強い状況ではフライトを中止する場合があります。
エンジンの出力が強風に不利という理由もありますが、ローター(羽)が2枚のヘリは強風に伴う危険性が増すことが大きな理由です。
簡単に説明すると2枚ローターのヘリは軸を中心に左右の羽がシーソーの様な造りになっており、回転している軸(マスト)から片方のローターが上がればもう片方のローターは下がる構造になっています。
ヘリコプターは回転しているローターに機体が「ぶら下がっている状態」で飛行しています。
そこに突風など強い風にあおられたりするとローターが暴れ、ぶら下がっている機体と違った動きが生じます。
シーソーが回転している様な2枚ローターは制御が難しく、不安定な動きを何とかしようと過度な操作をするとローターの根本と回転軸(マスト)が当たってしまい、最悪ローターと機体が分離したり、ローターが機体後部を切断するなどの””マストバンピング””という危険な現象が生じてきます。
飛行機に乗っていて強風や乱気流で身体がフワっと無重力になる状況を経験した方は多いかと思います。あの状況が2枚ローターのヘリではとても危険な状況なのです。
3枚以上ローターがあるヘリはそれぞれのローターがヒンジと言う部品で独立しており、突風にあおられてもローターの遠心力で暴れる力が抜ける作用でマストバンピングの危険性はあまり起きません。
このような危険を回避するため、2枚ローターの私どものヘリは風速13m(25kt)以上の風が予報された時は飛行を中止することがあります。
ムリして飛べないことはないのですが、その様な危険な状況でお客様をお乗せすることはできず、特に初めてヘリに乗る方は飛行中に機体が揺れて怖い印象や気分が悪くなった印象しか残りません。
35年間無事故で運営してきた観点から、安全かつ快適なフライトを第一優先で考えて判断することの積み重ねになります。
あいにく強風で中止になった場合、このような危険を回避する理由があることをご理解を頂けましたら幸いです。
統括者・スタッフより
安全にものすごく「臆病」であり、キャンセルポリシーが「緩い」理由
都会の中心部にある唯一の民間ヘリが離着陸できるみなとみらいヘリポート。ヘリポートは日の出~日没の運用時間が多いところ、ここでは夜間の運用も可能であることも希少なヘリポートです。防災ヘリやドクターヘリの離着陸にも使われています。
「経済性と安全性は常にトレード・オフ」…フライトの判断でいつも悩まされています。「セールスvsリスクマネジメント」とも言えるかも知れません。
「たくさんのお客様に来て頂きいっぱい喜ばそう!」 vs「天気や機体の調子は本当に大丈夫なのか?」と、天秤にかける繰り返しです。
その時にいつも思うのは「安全に臆病になれ」という言葉です。
「何とか飛べるでしょ…」という考えを排除し、安全の確保上どうしても飛べないとき、「申し訳ございません、本日のフライトを中止いたします」とお客様に連絡をしなければならないのは本当に辛いです。飛べないとお客様も分かっていても申し訳なさで気分が落ち込みます。
お客様のプロポーズ、誕生日etc...せっかくの機会をお断りする時「飛べるんじゃ…?」とふと思ったりもします。
でも、いい加減な判断でフライトは行えません。
安全をおそろかにすれば車でも船でも、ましてやヘリなどの航空機は確実に事故を誘発する危険が生じてくるからです。
安全なフライトをお客様にご理解頂けるよう、ご予約時はフライトに天候等の制約があることを正直にお伝えする一方、キャンセルポリシーは「かなり緩く」しています。
お客様はリスクをご承知頂い上でご予約をして頂けるのであれば、当日ドタキャンでもしない限り別日の振替などの調整を頂きキャンセル料を求めないことに努めています。
私どもがフライトを行う場所、みなとみらいヘリポートは日本ではここしかないくらいの「街中」にあります。
人の目につきやすくお客様のみならず、色々な方から「見られている」ことは他所のヘリポートよりあることは間違いないです。
1989年横浜博から観光飛行を始めて今年で36年、無事故でフライトを続けらたのは常に安全を優先してきたこともありますが、地域の皆様からの信用があってだからこそと思います。
「安全=信用」を積み重ね、お客様や地域の方々に信用して頂ける様、安全に臆病であることをこれからも心がけて参ります。
統括者より
横浜に従事している人たちの想い
ここでフライトを始めて横浜の観光に長く従事していると「この街ならでは」のコミュニティが存在します。
行政はもちろんのこと、観光施設や宿泊施設の集まり、中華街やメディアの集まりなどあり、皆が「横浜に来てよかった」と思って頂く一心で意見交換や情報共有をしています。
ウチの施設にぜひという以前に、横浜に是非お越しくださいという想いで皆が頑張って横浜を盛り上げています。
観光だけではありません。物流を携わる港湾施設においても従事している皆が仲間であり、会社の垣根を越えて事故が無いよう、横浜を安全な港にしていくために日々研削しています。
かけ出しの頃、最初に教わったロジックを今も大切にして「横浜っていいな」と思えるように努めて参ります。
2025年1月吉日
統括者より
妊婦さんのご搭乗
妊娠しているとご搭乗できない規定はありません。ですが、出来れば安定期になってからの方が良いかも知れません。
ヘリコプターへの誘導や乗降りはゆっくりとご案内します。
小型のヘリは機内が狭く風で揺れることがあり、妊婦さんのご搭乗をお断りする場合がありましたが、大型のヘリになってからは機内は広く少しの風では揺れないので乗降りに問題がなければご案内が可能です。
妊婦さんのタグを付けたカバンを持ったお客様がお見えになってもお断りすることはありませんが、「パートナーが妊娠中なのですがヘリに乗れますか?」というお問合せを頂いた方が私どもは的確にご案内できますし準備することもできます。
パートナーの心の不安を和らげるお気持ちはよく分かりますのでできる限りのお手伝いをさせて頂きます。
ただし、パートナーの体調をよく考えてからご検討をお願いします。
ヘリのパイロットになりたい…。リアルなことをお伝えします。
AS355型のコックピット。各計器や警告灯、メカニズムまで何を意味するものなのか全て掌握した上でエンジンを始動します。飛行中は天候状況の確認も加わり計器類を中心に常に機体の状況を確認、万一の不時着場を確認、景色の見え方、音やにおいなども神経を研ぎ澄ませて飛行業務を行っています。決して優雅に飛行しているわけでなく地味な作業を反復して行っています。
フライトの現場で「ヘリのパイロットになりたい」という若者から相談を受けたりします。
大きな夢を持っているなと感心してます。
ただ、余程の覚悟がなければパイロットを志すことができないのも事実です。
ヘリのパイロットは航空身体検査を受けて問題がなく、自動車やバイクを運転できるスキルがあれば個人差はあっても自家用操縦士の免許はだいたいは取れます(ただしある程度の技量や英語力は必要です)。
「パイロットになりたい」という目的を聞くとプロの操縦士になりたいという事なのですが、操縦士の免許は自家用操縦士免許と事業用操縦士免許(自動車でいう二種免許)がありプロの操縦士になるためには自家用操縦士免許を取った後に事業用操縦士免許が必要となります。
事業用操縦士免許を取ってもすぐに私どもで行っているような旅客飛行の機長にはなれません。
バスやタクシーなど自動車の世界と違い「二種免許」を取ってから一定の飛行経験と国の規定による審査をパスしなければ航空機の世界では機長になれません。
ヘリ会社には運航規程という国で定めた規定を会社で作成して事業の認可を得ています。そこには旅客飛行の機長になるためには500時間以上の飛行経験を要することが定められています。
だいたい170時間くらいで事業用操縦士免許が取れて、そこから300時間以上飛行の経験を積まなければなりません。その300時間以上の経験をどうやって積むのか、事業用操縦士免許を取ってから一番苦労する大きな壁です。
民間ヘリ会社の就職は狭き門で操縦士を育成するためには多大なコストがかかります。官公庁はエリミネートという「ふるい落とし」があり適性がないと判断されれば機長への道は閉ざされてしまいます(税金を使って飛行するわけですからそれは厳しいです)。
また、免許には「等級」というものがあって、クルマで言うと乗れる車種と乗れない車種があり、乗れない車種を運転するには一定時間の操縦経験がないと試験も受けられません。民間でも官公庁でも操縦士の育成に多大な手間とコストが掛ります。
航空機を預かり安全を担保してお客様から料金を頂く。プロのパイロットになるためには「いばらの道」がいくつもあり、事業用操縦士の免許を自費で取ろうとしたら家一軒が建てられるくらいの費用がかかります。操縦士になるため人生を賭けて訓練している若者も少なくありません。
「ヘリのパイロットになりたいです」
「素晴らしい目標です。ただ、どれだけの覚悟をもって志せますか?」
志す若者からパイロットになるための情報が少ないという声を頂きますので敢えてリアルなことを述べさせて頂きました。
みなとみらい~箱根~富士山(政府観光局プロモーションビデオ)
政府観光局(JNTO)様によるインバウンド向けPVです。
横浜から箱根は所要25分ほど。
富士山が雲で隠れたりしたので撮影のタイミングに苦慮しましたがヘリから見る富士山は絶景でした。
お客様からのお褒めの言葉に元気が出ます!
お取引のある予約サイトからからですが、お客様から喜びやお褒めのお言葉を頂くと、どんなに大変なことがあっても私どもスタッフはサービスを始めた頃に戻って仕事に励むことができます。
元気出ます!
有難うございます!






